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ある日

目が覚めると電車のなかだった。通勤の途中だった。南砂町から浦安までの車窓だ。朝はいつも快速に乗るので現在地はあやふやだった。周囲の建物が低く、天気がいい日も悪い日も見通しがよかった。川が大小三つある。ひとつは浦安の向こうだったかもしれない。なかには船が泊めてあるものもあって、おそらくもっと早い朝の時間に漁を終える。魚が泳いでいるところを想像した。

今日は天気がよかった。ここ二三日、目的地に着くまでぼうっと空を見ている。綿雲が止まって見えたのは、あるいはずっと電車のあとを追けてきていたのは、昨日だったか今日だったか。これを書いているいまは水面に跳ねる魚を思っている。実際に見たことはないと思う。あったかもしれない。窓の向こうに伸びる水面から一匹の魚が飛び出すさまを想像した。光の反射でまぶしくてよく見えなかった。